あらすじ
ーー合理的に考えれば、答えは出るはずだ。
駅前商店街の一角にある純喫茶「ほころび」。
統計学を専攻する大学院生の僕は、
理屈と数字を信じて生きてきた。
けれど、この店では、
答えはいつも思った通りの形では現れない。
この店のマスターは、
少し眠たげで、おっとりしていて、
けれど不思議と、よく気づく人だ。
日常の中に紛れ込む、ほんの小さな違和感。
レジの誤差、ずれた視線、揺れた習慣。
「少し、落ち着きましょうか」
コーヒーを蒸らすあいだに、
答えはゆっくり澄んでいく。
大きな事件は起きない。
誰かが追い詰められることもない。
ただ、揺れた心が、ゆっくりと元の位置に戻っていく。
これは、純喫茶で紡がれる
ほっこり日常系ミステリー。