あらすじ
月面裏側に現れた巨大構造「環(リング)」により、地球は爆撃ではなく“環境改変”によって静かに書き換えられていく。地下の対環観測・通信局で信号解析を続ける主人公ユウは、上司・伊吹から「月面裏側の構造物へ直接アクセスし、近距離で“返事”を拾う」作戦へ参加するよう命じられる。
月へ到達したユウたちは、異様な神殿のような構造物と、近づくほど侵食してくる“理解”に直面する。リングは人類を敵としてすら認識せず、ただ宇宙規模の仕様に合わせて惑星を整備しているだけだと悟ったユウは、父の遺した同期規格=“鍵”で仕様に割り込み、改変を止めようとする。
しかし止めることは“流れ”をここで破裂させることでもあり、ユウは世界を救うのではなく終わらせ方を選ぶため、出力を最大にする。月面で咲いた白い裂け目は地球にも広がり、リングは止まらないまま世界は裂けていく。生き残る英雄はなく、残るのは断片的な音と、選んだ代償だけだった。