あらすじ
帝国の頂点に君臨する三人の天才――圧倒的武力を持つ九条蓮、神の知能を持つ鳳萊、そして残酷な無垢さを纏う天野凪。彼らが自分たちの退屈を紛らわせる「おもちゃ」として選んだのは、施設育ちの無名な少年、八坂理央だった。
当初、理央は彼ら「王たち」による過保護という名の監獄に怯え、支配されるだけの存在に見えた。三人は理央を孤島『アイランド・ゼロ』に隔離し、食事から呼吸までをも管理下に置く。しかし、理央の心根にある「魔性」は、彼らの執着を餌にして静かに開花していく。理央は、自分を奪い合い、互いに嫉妬し合う三人の醜い独占欲を「鑑賞」することに悦びを見出し、いつしか「支配される側」から「彼らを狂わせる側」へと主従を逆転させていく。
物語の転換点は、理央の義弟・湊の登場だった。帝国の刺客として送り込まれた湊に対し、理央は唯一の「情」を見せる。だが、理央を独占することに魂を売った三人は、理央の制止すら無視して湊を徹底的に排除・蹂躙した。大切な思い出を壊された理央は、報復として「失踪」を演じる。自分たちが理央を死(不在)に追いやったという絶望に叩き落とされた三人は、プライドを捨て、家畜のように床に這いつくばって理央の帰還を乞うた。この瞬間、三人の「王」は理央という絶対神に仕える「奴隷」へと完全に作り替えられたのである。
やがて帝国は、あまりに強大になりすぎた『ECLIPSE』を危惧し、島への絨毯爆撃を開始する。燃え盛る火の海の中、三人はかつての狂気的な独占欲を「騎士の忠誠」へと昇華させ、理央を世界で最も輝かせるための翼となった。理央は炎上するステージで全世界へ向けて歌い、その魔性で民衆を熱狂させ、帝国を内側から崩壊させる「革命」を成し遂げた。
新時代の幕開け。四人は帝都の頂点に立ち、新たな支配者となる。平穏な日常の中で、三人は理央の平穏を守るために過保護を極め、時には全裸で皿回しをするほどに理央に心酔し、時には温泉で彼を指一本滑らせないよう過剰に傅く。しかし、理央はその「健全な主従関係」にさえ飽き足らなくなり、あえて三人の嫉妬を煽ることで、彼らの底に眠る「怪物」を呼び覚まし続ける。
結末。ファン感謝祭という公の場で、理央はあえて他人に慈悲を見せることで、三人の独占欲を爆発させた。観客を追い出し、閉ざされたホールで理央を押し倒す三人。彼らは理央を閉じ込めているつもりでいるが、その実、理央の微笑みという名の鏡に映し出された自分たちの狂気から、一歩も外へ出られなくなっている。
「鏡」に映っているのは、理央という偶像か、それとも彼なしでは息もできない三人の成れの果てか。
漆黒の太陽(エクリプス)の下、四人の甘美で地獄のような共依存は、永遠に続いていく。