あらすじ
戦争に疲弊した王国は、禁忌の術で異世界から魂を呼び寄せる。
選ばれたのは、何の取り柄もない一人の青年だった。
王国が与えた彼の能力は――「万物を両断できる力」。
だがそれは、あまりにも曖昧で、あまりにも不自由だった。
剣を振らなければ斬れない。届かなければ斬れない。魔力も技もなければ、ただの“よく切れるだけの男”。
火球も放てず、回復もできず、空も飛べない。
派手な力を持つ他の転生者たちの中で、彼の能力は“使えない”と判断される。
王国が欲しかったのは、戦況を一変させる英雄。
だが彼は、ただ「何かを両断する」ことしかできない。
期待外れ。
無価値。
役立たず。
そうして彼は王都から追い出される。報酬も、居場所も、名誉もなく。
だが――
もしもこの世界が、目に見えない“何か”によって縫い留められているとしたら。
もしも人々が抗えぬまま縛られているものがあるとしたら。
彼の刃は、本当に“使えない”のか。
誰にも必要とされなかった男が、やがて世界の綻びに触れるとき。
断たれるのは魔物か、国家か、それとも――世界そのものか。
これは、無価値と切り捨てられた男が、みた未来とは...。