あらすじ
商店街にある古道具屋「古道具屋 あさひ」。
店主の朝は、物に触れることでそこに宿る“想い”を感じ取ることができる。
その想いを正しく受け取るため、朝は必ず物に触れたあとに眠る。
昼寝のあいだ、夢の中で持ち主の記憶を追体験し、
その物を「売るべきか」「預かるべきか」を静かに査定する。
訪れるのは、失われた未来を抱える夫婦、
壊れた関係を清算しようとする人、
過去と向き合えずにいる友人――。
朝は物を通して人の心に触れ、
ときに売らず、ときに預かり、
それぞれの想いの行き場を探していく。
やがて店の奥にある桐箱の存在、
満月の夜と新月の朝日に関わる秘密、
そして家系にまつわる謎が静かに動き出す。
想いは売るものなのか。
それとも、預かり、循環させるものなのか。
小さな古道具屋を舞台に描かれる、
静かで優しい、想いの物語。