あらすじ
小中高ずっと彼女いない歴=年齢。非リア歴は実に十七年にもなる高校二年生・木原博和。
そんな博和には、“どうしても変えたい”たった一つの切実な悩みがあった。
それは――
「一生に一度でいいから、彼女が欲しいっ!」
ところがある日、その果てしない願望が暴走したのか、博和はとある“病”を発症してしまう。
「……きっと、“思春期症候群”ってやつね」
いかにも遊んでいそうな若い女医にそう告げられた話を、中学からのオタク友達――佐山志穂にしてみると、「ふっ、なにそれ。ウケる……」と、いつも通り冷たくあしらわれてしまう。
佐山志穂。博和と同類のモブ系オタク女子で、黒髪ロングに度の強いメガネがトレードマークのクラスメート。
彼以外とはほとんど話さない、博和が気を遣わず本音で話せる唯一無二の“モブ友”――のはずだった。
だが、こじらせた病も相まって、彼女の冷たい一言が発火剤となり、博和は「佐山でもいいか」と下心を隠しつつ休日ランチに誘ってしまう。
あわよくば、そこから彼女ができれば――そんな淡い期待を抱きながら。
そしてトイレから席へ戻る途中、博和は見てしまう。
自分の向かいの席に座る、“見知らぬレベルの美少女”の姿を。
(誰だ、あの子……佐山の知り合いか?)
そう思ってやり過ごそうとした矢先、その美少女がふとメガネをかける。
――それは、紛れもなく佐山志穂本人だった。
ずっと“モブ友”だと思っていた相手の正体を知ってしまった博和は、抑えきれない衝動のまま、思い切って告白してしまう。
そのとき、佐山から返ってきたのは、博和の予想をはるかに超える、一言だった――。