あらすじ
イラストは味玉屋様に描いていただきました! ありがとうございます!
日本の首都――東京。この世界ではある悪魔の存在が囁かれていた。その悪魔は人間の感情をひとつの宝玉にするという力を持っている。本来、感情に形はないのだ。感情を差し出した代わりに偽りの感情を渡すのだという。
宝玉とは人の感情(エネルギー)をひとつに凝縮したモノ。その色はさまざまあるが、大きく分けて、単色か、深い色に分けられる。感情の一部を取り出して宝玉にすることもできる。いわば、写真のようなもの。宝玉を手にしてしまえば、エネルギーは枯渇することなく、契約者が死んでも、それは宿り続ける。
これまで多くの感情を宝玉に変えてきた悪魔だが、未だ深い色には、自分が取り込むに相応しい宝玉には、出会っていない。
感情とは人が生きるために必要なエネルギーだ。簡単に差し出してはならないものだ。小さな幸せにも気づけなくなった者、生きることに絶望した者の前に、悪魔はあらわれる。
一人の青年、直登が激しい雨に打たれ、橋の下で雨宿りをしていると、黒衣の男、ヴァノが声をかけてきた。
――〝お前の、喜び、楽しさの感情を、俺に寄越せ〟と……。
現代ファンタジー 新作 シリアス ランキング5位(2020.11.25)