あらすじ
昼休みの女子トイレで、野村朱里と桜田結衣は「嫌いな人が消えるおまじない」を試す。鏡に向かい、クラスで浮いていた森田麻衣の名前を三度唱える。翌日、森田は転校し、クラスメートたちの記憶から彼女への嫌悪感情だけが消えていた。朱里だけがその感情を覚えていることに気づく。
おまじないは急速にクラスに広がり、嫌いな相手への負の記憶が次々と消えていく。川口くん、藤本さん、先輩たち……。クラスは平和になるが、感情の欠落が朱里の孤独を深める。結衣や担任の田村先生も記憶を失い、朱里はノートに記録を残して薄れる文字をなぞり直す日々を送る。
朱里は鏡の前で再び唱えようとするが、忘れることは森田を二度消すことだと拒否。クラスメートたちの「欠けた笑顔」の中で、朱里だけが全てを覚え続ける。嫌うことは見ることだと感じ、手放さない誇らしさを抱く。