あらすじ
40代、バツイチ。
成人した息子が二人いる男が、
一月の海で出会ったのは、年下のシングルマザーと二人の子どもだった。
人懐っこく距離を詰めてくる兄。
誰にも抱かれなかったはずの妹が、
なぜか初対面の男にだけ両手を伸ばした夜。
付き合い始めて三ヶ月。
彼女に告げられた乳癌。
外見は変わらない。
だからこそ、怖さは静かに日常へ溶け込んでいく。
強くあろうとする彼女。
愛情を確かめ続ける長男。
無言で体温を預ける妹。
そして、守るつもりだった男が、
いつの間にか救われていく。
これは、
大きな奇跡の物語ではない。
強い光の物語でもない。
それでも――
月光のように、静かに、確かに、
家族になっていく四人の物語。