あらすじ
俺は、人気者になりたかったわけじゃない。
イケメンに生まれたのは、俺の選択じゃない。
好かれるのも、望んだわけじゃない。
でも――
どんな女の子でも俺に恋をさせる方法を覚えたのは、俺自身の意思だ。
愛を学びながら育つ人もいる。
俺が学んだのは、“不在”だった。
今、俺には彼女がいる。
いや……正確には、何人もいる。
彼女たちは、お互いの存在を知らない。
そして俺は、それぞれが一番欲しい言葉を知っている。
俺の空っぽを見抜く優しい子。
嫌っているふりをする子。
静かに俺を観察している賢い子。
自分だけが特別だと思っている子。
俺は、みんなを愛している。
でも本当に愛しているのは、一人だけなのかもしれない。
――それとも、ただ一人になりたくないだけなのか。
嘘をつくことは難しくない。
難しいのは、その嘘を守り続けることだ。
最初の真実がこぼれ落ちたとき――
最後に残るのは、彼女たちか。
それとも、俺か。