あらすじ
三年間、夫であるエドガーの侯爵家を陰で支え続けたアンナ。ある夜、エドガーから幼馴染の女性と結ばれたいと離縁を告げられた彼女は、涙のかわりに一冊の帳簿を取り出した。婚約当時は赤字寸前だった侯爵家を黒字に立て直した、三年分の記録とともに、相応の慰謝料を請求して翌朝には屋敷を出る。実家に戻ったアンナは、母の伝手で若き商人・マルクの商会に関わることになり、初めて「役に立っているから」ではなく「ただ、ここにいたい」と思える場所を見つけていく。一方、エドガーは失ってから気づく——アンナは「お飾りの妻」などではなかったと。