あらすじ
物語紹介
「私」になるために、彼女たちは消された。
JBNテレビの看板キャスター・浅倉えりか。
かつて「国民的妹」として消費された忌まわしい過去を持つ彼女の元に、ある夜、一通のデジタルな招待状が届く。
暗転したデスクトップを埋め尽くすのは、無数に増殖し、歪んだ微笑を浮かべる「かつての自分」。
時を同じくして発生する、都内連続女性失踪事件。
保護された被害者たちは、なぜか皆、えりかと全く同じ髪型、同じメイク、そして――同じ「傷跡」を施されていた。
「本物はいらない。君は、この箱の中で完成するんだ」
姿なきストーカーが築いた異常な「聖域」から、執拗に送り込まれるデジタルな悪意。
組織の隠蔽、同僚の冷ややかな視線、そして鏡の向こうから自分を覗き込む「もう一人の自分」。
絶望の淵で、えりかの中で何かが音を立てて覚醒する。
彼女は、守られるべき「清純」を脱ぎ捨て、メディアという怪物の臓物から真実を引きずり出す捕食者へと変貌を遂げる。
「覚悟するのは、おまえのほうよ」
生放送という逃げ場のない密室で、彼女がリターンキーに指をかけたとき、世界は真実の血を流す。
ネットを逆流する殺意。爆ぜる聖域。
キャスター・浅倉えりかが最後に読み上げる、戦慄の「ニュース」とは。