あらすじ
あらすじ
八つの御柱に囲まれた国〈八柱境〉では、夜になると“荒魂”が徘徊し、人の名を奪う。名を失えば、過去も絆も消え、やがて存在そのものが霧散する。
人々は幼少期を「仮名」で生き、成人の儀で「真名」を授かることで、ようやく一人前となる。
しかし――少年はそのどちらも持たなかった。
名を授かれなかった彼は“空名”と呼ばれ、社会の外側に置かれていた。
ある夜、祓戸衆が荒魂と交戦する場に居合わせた空名は、異形の禍津に“跪かれる”。
禍津は彼を「天逆神の器」と呼び、封じられた神の名を返すよう求める。
やがて空名の胸の奥で、封印された“名”が目覚め始める。
御柱は軋み、夜の国が揺らぎ、荒魂の王が姿を現す。
名を持たぬ少年は、世界を終わらせる鍵なのか。
それとも、夜を終わらせる光なのか。
👤 登場人物紹介
◆ 空名(くうな)/主人公
• 真名を授かれなかった少年。
• 名がないため荒魂に名を奪われることがないが、社会的には最下層の扱い。
• 実は“天逆神”の名を封じるために造られた器であり、その核となる名を宿している。
• 名が覚醒するたび、御柱の封印が揺らぎ、世界が変動する。
◆ 真澄(ますみ)/祓戸衆の隊長
• 祓戸衆の中でも実力と人格を兼ね備えた青年。
• 祝詞を刻んだ刀を操り、名の力を刃に宿す戦士。
• 空名を危険視しつつも、彼の意思を尊重し守ろうとする。
• 人の世を守るためなら、自らの真名を削る覚悟を持つ。世と神の世が交錯する中、空名は自らの存在と向き合い、選択を迫られる。