あらすじ
「聖騎士様、そこは『呪い』がこびりついてます。〜掃除屋(クリーナー)は死霊騎士の夢を見るか〜」
魔王が倒され、平和が訪れたはずの世界。
しかし、戦いの跡地には深刻な問題が残されていた。それは、聖騎士たちの「雑な浄化」によって焼き付いた怨念のシミ、そして放置された魔物の死骸から発生する魔素のカビ。
これらは放っておけば新たな災厄の種となる。そんな「戦いの後始末」を専門とする職人集団、それが掃除屋(クリーナー)だ。
腕利きの掃除屋ゼクスは、今日も特殊洗浄液と銀のブラシを携え、英雄たちが荒らした現場へと向かう。
「光属性の攻撃は、焦げ付くから後が大変なんだ……」
ブツブツと文句を言いながら、物理攻撃の効かない「呪いの汚れ」を科学と根性で削ぎ落としていくゼクス。
だがある日、彼は強力な死霊騎士(デス・ナイト)の残滓を掃除した際、その魔物が抱えていた「生前の記憶」を夢に見てしまう。
それは、聖教会の歴史から抹消された、ある「不都合な真実」へと繋がっていた。
潔癖症の聖騎士アルトリウスを(無理やり)助手に引き連れ、ゼクスは世界中にこびりついた「歴史の汚れ」を洗い流す旅に出る。
―――これは、誰も見向きもしない戦場の片隅で、世界の輝きを「物理的」に取り戻し続ける男の物語。