あらすじ

瀬戸内の小さな漁村で育った「私」と翔太は、同級生が二人きりの幼なじみだった。高校進学を控えた春休みのある日、濃い霧に包まれた海の向こうの無人島に、一糸まとわぬ若い女の姿を見つける。女は微笑みながら手招きをしていた。興奮した翔太は海へ飛び込み、島へ向かって泳ぎ出す。しかし次の瞬間、濃霧がすべてを覆い、翔太は二度と戻らなかった。  村には、霧の晴れ間に現れて若者を島へ誘う「島女」という言い伝えがあった。罪悪感を抱えたまま故郷を離れた私は、数年後の春、再び村を訪れる。そしてあの日と同じ場所に立つ島女の姿を目にする。抗えぬ衝動に足を踏み出した瞬間、何者かに体を引き戻される。それは、あの日のままの姿をした翔太だった。  霧の向こうに消えた彼は、なぜ今もそこにいるのか。春の海を見るたび、私はその答えを探し続けている。

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エブリスタ2026/03/02
  • 現在の作品島女