あらすじ

平安中期。 山城国の小村を襲った鬼により、少年・朔はすべてを失う。 ただ一つ残されたのは、父の形見の退魔太刀――残月。 その刀は鬼を斬るたび、相手の“最期の感情”を朔に流し込む。 そして鬼を祓うたびに、朔は自分の記憶を一つ失っていく。 村を滅ぼした鬼は、最期にこう呟いた。 「……都へ行け」 その言葉の意味を知るため、 朔は一人、都を目指して歩き出す。 山野を越え、宿場を渡り、 名もなき村で鬼を討ち、 人の弱さと哀しみを知りながら。 鬼とは何か。 人と鬼の境はどこにあるのか。 旅の果て、都の闇に潜む“最初の影”へと辿り着いたとき―― 朔はまだ“自分が何者であるか”を覚えていられるのか。 これは、 失いながら進む少年の旅の記録。 忘れていく物語であり、 それでも前へ歩く物語。

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小説を読もう2026/03/02
  • 現在の作品忘却の残月