あらすじ

日本で生まれ育った日本人、森山新一。 韓国へ留学していた山内千代。 二人は日本の敗戦後、朝鮮半島へ渡り、そこで定住して生きていくことを決意する。 しかし、朝鮮戦争の勃発により、日本人である新一は米軍に協力する立場となり、釜山へ向かうことを余儀なくされる。 こうして二人は離れ離れとなる。 その後、Inchon Landing に成功した国連軍はソウルを奪還する。 自宅へ戻った新一は、近隣の人々に助けられながら子どもを育てている千代と再会する。 「もう二度と離れない」と誓い合う二人。 だが間もなく、中国軍が坡州を越えてソウルへ南下しているとの米軍通信が入る。 新一は近隣住民とともに避難を決意する。 しかし――あまりにも遅すぎたのか。 遠くの路地の先に、かつて自分が渡航を阻んだ日本人難民の姿があった。 その難民は復讐心に駆られ、北朝鮮軍を引き連れていた。 新一は家族から引き離され、その場で拘束されてしまう。 連行される新一を目にした千代は絶叫し、後を追おうとするが、隣人に止められる。 涙を堪えながら、彼女は避難の準備を始める。 即決裁判の日。 千代は密かにその場を訪れ、新一の最期を目撃する。 家へ戻った彼女は声を上げて泣きたかった。 しかし、そこはなお戦火のただ中であった。 やがて彼女は近隣の人々とともに忠清北道・礼山へ避難する。 戦争が終わり、荒れ果てた家へ戻ったある日。 幼い子どもが、無邪気にこう尋ねる。 「お父さんは? お父さんはどこ?」 その言葉に、新一の最期の姿が胸に蘇る。 千代はただ、静かに涙を流すのだった。

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小説を読もう2026/03/02
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