あらすじ
「小谷くん、お願いがあるの。わたしと──『共犯者』になって」
その日から。僕たちは、誰にも言えない秘密を共有する、
──『共犯者』になった。
放課後の図書室。
そこは僕にとって、誰にも邪魔されない場所だった。
彼女が来るまでは。
クラスでは上位のグループのなかで過ごしているはずの宮園さんは、なぜか僕にだけ、冷めた態度で絡んでくる。
風貌は様変わりして、まるで擬態を解いた姿のよう。
彼女には好きな人がいた。そしてそれは、僕じゃない。
それでも彼女はいつものように、気ままに相談事を始め、僕の居場所に入り込んでくる。
迷惑なはずなのに、追い払えない。
僕らの『秘密』は、誰にも言わないこと。
それが、『共犯』関係の掟だった。
どこか歪で、離れがたい関係のなかで、彼女は今日もまた、図書室へとやってくる。
そうして、また僕との秘密を、増やしていく。
いいかげん、僕に構ってくれなくていいのになぁ。
……これは、彼女が恋した相手に、振り向いてもらうための、約束を果たす、僕らだけの青春。