あらすじ

三十歳の誕生日。 童貞のまま、魔法使いになれるはずもなく、コンビニの安いケーキを一人で食べながら、男はふと思った。 ――このまま、何も変わらず年を取っていくのだろうか。 冗談半分、不安半分で立てたスレッド。 【安価で俺の人生変えたい件について】 逃げないと宣言し、見ず知らずの誰かが投げた選択肢に従う日々が始まった。 安価の結果は、どれも本来の自分なら選ばなかった道。 だがスレの向こうには、見守り、囃し立て、ときに信仰めいた言葉を投げかける使い魔たちがいた。 失敗してもいい。恥をかいてもいい。 書き込めば、受け止めてくれる誰かがいる。 それは確かに、救いだった。 やがて男は、一人の女性と出会う。 落ち着いた声で、なぜかこちらの迷いをすべて知っているかのような女性だった。 彼女と話す時間だけが、安価とは違う現実味を帯びていく。 しかし頭の片隅には常にスレがあり、次は何を報告しようか、どう書けば盛り上がるかを考えるようになっていた。 自分で決めることが、怖くなっていた。 安価なら、失敗しても自分の責任ではない。 そう思いながら、男は一歩ずつ進んでいく。 安価で人生を変えたつもりで、いつの間にか選ばれていた男。 これは、選ばれることに救われ、そして飲み込まれていく、一人の男の記録である。 ※本作は前半が掲示板スレッド形式、後半が主人公視点で構成されています。

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カクヨム
カクヨム2026/03/02
  • 現在の作品安価で俺の人生変わった件について。