あらすじ

【あらすじ】  三週間前、世界は終わった。  腐敗したまま動く"ウォーカー"が溢れ、噛まれた者は死に、死んだ者は歩き出す。  十八歳のアリアは、恋人を失い、父を失い、すべてを失った。  死を覚悟した瞬間、影のように現れた少女がいた。  黒ずきん。紫白の瞳。感情のない顔で敵を殺し、終わると袖をちょんとつまんでくる――魔女。  暴力が支配するコミュニティを抜け、仲間と出会い、橋を焼いて逃げた。辿り着いたのは清潔で平和な管理都市「セレニティー・ユニオン」。  安全。秩序。食事。教育。ここでなら生きていける。  ただし、市民は選別される。  仲間は引き離され、白い壁の奥に知ってはいけない真実が積まれている。父が消えた理由。魔女が「兵器」と呼ばれる理由。この街の平和が、誰の犠牲で成り立っているのか。  知ることは、傷つくこと。  それでも目を逸らさないと決めた少女と、空っぽのまま人間になろうとする魔女の、終末世界の祈りの物語。 【登場人物】 ■ アリア(18歳)  本作の主人公。文学好きの少女。世界の崩壊で恋人と父を同時に失う。戦闘能力は皆無。けれど"書くこと"と"逃げないこと"だけが、彼女の武器になる。噛まれても死ななかった理由を、本人はまだ知らない。 ■ 魔女(外見12歳)  黒髪ボブ。紫白の瞳。圧倒的な戦闘力を持つが、感情が未発達で言葉も少ない。ウォーカーを殺した後、悲しそうな顔をする。なぜ悲しいのか、本人にも分からない。好物はホットケーキ。代償として常軌を逸した食欲を持つ。 ■ アベル(15歳)  褐色肌に金の瞳。虐待家庭から逃げてきた少年。手持ち無沙汰になると銃を磨く癖がある。ユニオンで初めて手に入れた「普通の生活」を守りたいと願うが、その代償に少しずつ大切なものから目を逸らし始める。 ■ コール(30代半ば)  元警備員。主武器は斧。不器用で口下手だが、子どもたちを守ることだけに自分の価値を見出している。ユニオンでは最下層の労働区に送られ、壁の外でウォーカーを狩り続ける。 ■ 道化師〈クラウン〉  ダークスーツに白い髪。穏やかな笑顔の裏で、人間を「舞台の役者」としか見ていない。ユニオンの平和を裏から操り、すべてを"ショー"として演出する。目的は不明。 ■ 双子(シロナ/クロナ)  シロナは白髪に日本刀。寡黙で冷酷な処刑者。クロナは赤髪で軽口が止まらない撹乱者。二人は道化師の手駒として、ユニオンの内側に潜んでいる。 ■ デイビッド(アリアの父)  郵便配達員。温厚で利他的。アリアが世界で一番会いたい人。失踪の理由は不明だが、家に残された手帳の筆跡は、父のものではなかった。

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カクヨム
カクヨム2026/03/02
  • 現在の作品Witch&Dead:終末の祈りと魔女の抒情詩