あらすじ
怪異が蔓延る廃屋――そこは現世と幽世の狭間へ堕ちた「廻廊」と化していた。亡き妻を蘇らせようと禁呪に手を染めた主人は儀式に失敗し、屋敷の最深部へ連れ去られてしまう。
同じ夜、主が大切にしていた市松人形「イチ」に、ひとつの魂が宿った。なぜか胸を満たすのは、主を救わねばならないという強い使命感。床に転がるカラフルなエレキギターに触れた瞬間、走馬灯のように主と妻の記憶が流れ込み、音は雷の祈りとなって迫りくる怪異を浄化していく。
歪む廊下、からくりの罠、鏡に映る“もう一人の自分”。記憶の迷宮を進むほど、イチは禁呪の代償と、愛が呪いへ変わった真実を知る。
それでも奏でる。主を救うために。最後に待つのは、救済か、破滅か――祈りの終曲。