あらすじ
柏木月菜(かしわぎ るな)には、幼い頃から、
いつも迷いなく自分を守ってくれる存在がいた。
幼馴染の、堤旭(つつみ あさひ)。
近所に住む同い年の彼は、
月菜に不器用ながらも手を差し伸べてくれる存在だった。
月菜は、そんな旭を、ずっと好きだった。
けれどある日、旭ははっきりと言う。
「ルウとだけはないから。絶対に」
その一言で、月菜の世界は静かに歪み始める。
それでも月菜は、
旭の隣にいられるなら、それでいいと自分に言い聞かせた。
彼を追って進学校へ進み、
名門大学に入り、
就職先まで同じ会社を選ぶ。
"純粋で放っておけない幼馴染"
その立ち位置のまま、
旭の恋愛話を聞き、切なさをつのらせる日々。
その裏で月菜は、
旭への埋まらない想いを誤魔化すように、
マッチングアプリで男と出会い、
感情を伴わない関係を繰り返していた。
そんなある日、
アプリで出会った相手は、同じ会社で"営業部の王子様"と呼ばれる先輩、
柳燈璃(やなぎ とうり)。
爽やかで人当たりが良く、仕事も出来て誰からも好かれる男。
けれどその笑顔の奥には、
どこか計算された影が潜んでいた。
「ルウちゃんは、俺のこと好きにならないでしょ?だから、楽」
そうしてふたりは、
身体だけを重ねる曖昧な関係になる。
幼馴染として光をくれる旭。
身体だけの関係で温度をくれる燈璃。
どちらも失えず、
どちらにも踏み込めないまま。
歪んだ三角関係が始まるーー。