あらすじ
社内恋愛の末、嫉妬と依存に疲れ果てた主人公・木内は、自分を「再起動」させるために大手商社のシステム子会社へと転職する。そこは、無機質なOA機器と、欲望渦巻く商社マン、そして三者三様の事情を抱えた女たちが集まる場所だった。
転職先で出会ったのは、暴力的な本性を隠していた夫とわずか2ヶ月で離婚し、職場で「幸せな新妻」を演じ続けなければならない悲劇の先輩・三芳。そして、主人公の不用意な一言をきっかけに、誠実な婚約者を捨て、派手な「悪女」へと変貌を遂げていく同期の都留野。主人公自身もまた、執着していた元彼からの復縁(という名の脅し)を「どうぞ、どうぞ」と切り捨て、自立への道を歩み始める。
端末の修理、契約書の捺印、そしてシュレッダーにかけられる過去。
職場のバグを排除し、彼女たちがたどり着いたのは、手を取り合う友情でも、甘い救済でもなかった。
「私たちは、もう同期(シンクロ)しない」
依存を捨て、一人で立つことを選んだ彼女たちの断絶と自律。冷徹なまでにリアルな結末を突きつける、痛快ワークストーリー。