あらすじ
山奥の寺で修行を積む僧侶・真念は、ある夜明け前、座禅の最中に突如として異世界へ召喚される。
呼び出したのは、魔王軍の侵攻に追い詰められたリューベル王国。
彼らは“最も強き者”――魔王を討つ勇者を求めていた。
しかし現れたのは、武器も鎧も持たない一人の僧侶。
「ヒーラーだと!?」「戦えないじゃないか!」
失望と混乱が広間を満たす中、真念は静かに告げる。
「治せるのは“心”だけでして。」
回復魔法も攻撃魔法も使えない――はずの僧侶。
だが、魔物が乱入した瞬間、状況は一変する。
「南無三ッ!」
錫杖の一撃で、巨大な魔物を壁ごと吹き飛ばす真念。
王国の人々は理解する。
彼が持つ『強さ』は、剣でも魔法でもない。
長年の修行で磨かれた、揺るがぬ心と圧倒的な身体技法――悟りの力。
召喚ミスと言われた僧侶は、本当に『最も強き者』なのか。
そして、心を治す僧侶は、戦乱の世界で何をもたらすのか。
これは、誤解されながらも静かに世界を変えていく、一人の僧侶の物語。