あらすじ
代々王族に聖なる力を宿す国。その第四王子は、初代聖女に似ているという理由で“聖女の再来”と崇められていた。
白銀の長髪、祈りの装束。民はひざまずき、貴族は敬い、誰もが彼を神聖視する。
――だが本人は、ただの男だ。
ある日、辺境の村で“雷に打たれたように覚醒した少女”の噂が届く。
彼女は黒い霧――人々の悪意から生まれる災厄を、一振りの剣で斬り払うという。
興味を抱いた第四王子は彼女と出会う。
だが少女はひざまずかない。
「眩しいけど、普通に男の人でしょ?」
その一言で、彼の世界は揺らいだ。
悪意の霧を祓う旅の中で、王子は初めて“選ばれたい”と願ってしまう。
たとえ彼女に、過去に想い合った相手がいたとしても。
これは、聖女扱いされ続けた王子が、
ひとりの少女の前でだけ“俺”になる物語。