あらすじ
大陸暦三三九年。帝国による「三十日戦争」の計画は、大公国の冬の前に崩壊しようとしていた。
敗走する帝国軍の「火消し役」を命じられたのは、国を失った放浪の王・フェルディナンド。彼は復国の甘言を信じ、心を鋼に変えて汚濁の戦場を駆ける。その傍らには、常に「翡翠の弓手」ジーナの姿があった。
「あなたが王として立つための泥は、全て私が引き受けます」
主君のために自らの手を焼き討ちの火で汚すジーナ。かつての婚約者であり、今は敵となった勇将ヴァルトリーデ。
非情な軍命と、歪んだ忠誠、そして過去の絆が中部戦線で激突した時、フェルディナンドが選んだ「真実」とは――。