あらすじ

鉄道の「落とし物預かり所」で働く**佐藤(主人公)**は、日々届けられる膨大な忘れ物の処理に追われる、ごく普通の駅員だった。しかしある日、彼女は突然、無機物である「落とし物」たちの声が聞こえるようになってしまう。 困惑する彼女に、ひときわ威勢のいい声で毒づいたのは、一本の真っ赤なネクタイ、**「緋色の銀次」**だった。 「てやんでい! あっしをこんな埃っぽい棚に押し込みやがって!」 江戸っ子気質の銀次は、隣で激しく嗚咽し、震え続ける**「白い刺繍のハンカチ」**に苛立っていた。銀次に急かされるまま、佐藤がそのハンカチに触れると、そこには落とし主である少女の、切なすぎる後悔と「約束」の記憶が刻まれていて――。 「言葉を持たない落とし物」と「声を聞いてしまった駅員」。 孤独なハンカチの涙を止めるため、正反対の二人が、持ち主を探して駅の喧騒へと駆け出す!

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/03/01
  • 現在の作品落とし物預かり所の、饒舌なネクタイ