あらすじ

黒雪が降れば、村は地図から消える。  北方最前線で戦ってきた傭兵カイエルは、犠牲の上に築かれた王都の繁栄に背を向け、黒雪を祓うと噂される〈浄化石〉を求めて、再び北へ向かう。  だが王は言う。 「北に価値はない。大義のための小の犠牲は不可避だ」と。  国の正しさに刃を向ける旅路で、カイエルが出会ったのは、耳の聞こえない冠翼族の少女シエル。言葉の代わりに魔力の光で意思を刻み、無詠唱の盾で戦う、十四歳の天才魔法使いだった。  過去に囚われた傭兵と、声を奪われても明日を手放さない少女。不格好な「剣」と「盾」は、互いの背中を預け合いながら北を進む。  旅を続けるほどに、彼らを待ち受けていたのは魔物だけではない。王都が隠し続けた真実と、誰かの犠牲でしか咲かない平和――その残酷な仕組みそのものだった。  ――黒雪の夜明けに、あなたは何を救う?

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/03/01
  • 現在の作品黒雪の夜明けに ~大義を捨てた傭兵と、声なき天才少女の黎明譚~