あらすじ
「君となら、きっと私の知らない夢を目指せるから」
かつて世界は“大失敗”した。
何が起こったかは正確には不明だが、それで人類文明は崩壊した。
世界中の金属という金属が錆び付き、地殻変動は大陸の形を変え、見たこともない生物が闊歩するようになり、そして空は厚い雲に覆われた。
人々は残された僅かな物資を巡って争うようになり、混沌の中で長い時間が過ぎていった。
文明が崩壊してより百年と少し。
人類は無限のエネルギーを実現する重力塔を中心に、錆びた理想郷(ラストリゾート)と呼ばれる生活圏を築くようになる。
ようやく落ち着きを取り戻しつつあった世界。しかし世界には、再顕者(クラシカリスト)という異能力者が現れるようになった。
再顕者はかつて世界にあった遺物を再現し、それを自在に行使する能力者。
機械。生物。概念。普通の人間では束になったところで敵わない、無法で絶大な力。その暴力で自由に振る舞う者も、支配による歪んだ秩序を築く者もいた。
混沌とした世界を、再顕者は更に加速させていく。
迫害を受ける自称発明家少女、明日日ヨウは旅の再顕者、黒峰ミソラと出会った。
ジェットエンジンの再顕者であるミソラは迫害されるヨウを助けたことで、彼女と共にラストリゾートで生活を共にするようになる。
大罪人の末裔として虐げられる辛い環境にもめげずに明日の幸せを願うヨウ。死んだ姉の願いを抱いて青空を目指す旅の途中のミソラ。
正反対の二人は心を通わせるようになっていく。
しかし世界に蔓延する闇は、二人の些細な交流にさえ手を伸ばす。
これは、いつか強い風が背中を押してくれることを祈る物語。