あらすじ
最強で最弱な剣姫リリーの、世界一しょうもない退職奮闘記。
Sランク冒険者にして人気配信者、"剣姫"リリー
ダンジョンの竜種を一刀で葬る最強の剣士——の、はずなのだが。
彼女にはひとつ、どうしても斬れないものがある。
「辞めます」
ギルドを辞めたい。理由はシンプル。人が怖い。
剣を握れば世界は静かになるのに、人の前に立つと言葉が音にならない。
幼馴染の千歳の前では饒舌な癖に、ギルドマスターの部屋では「ンバルクイナ」しか出てこない。
辞めたいのに、スポンサー契約が許さない。違約金が重い。Sランクが抜ければ街の治安が揺らぐ。そしてなにより——このギルドは、びっくりするくらいホワイトなのだ。
悪意のない鎖に絡め取られた剣姫の、世界一しょうもなくて、ほんの少しだけ切ない退職奮闘記。