あらすじ
この連載小説は、ひとつの実験室です。
言葉を失った少女と、音楽を失った青年の、喪失と再生の物語です。「音楽」と「量子力学(観測問題)」という、一見交わることのなさそうなモチーフを重ね合わせて描きました。
ご用意したのは、アコースティックギター、カセットテープ、「重ね合わせ」の男女、そして「量子力学の観測問題」。
読む前と読んだ後で、あなたの見ている世界が「ほんの半音くらい」変わるような物語を目指しています。あなたがこの物語を観測したとき、結末はどちらに確定するでしょうか。
【本作の構成と読みどころ】
カセットテープを模した構成:
本作はカセットテープの裏表になぞらえた「A面(ひらがなのうた)」「B面(タイムレス)」と、「ボーナス・トラック(最終章)」の3部構成で描かれます。
言葉と音楽の交差点:
言葉を失った少女と、音楽を失った青年が、長い空白の時間を経て再び共鳴していく姿を丁寧に描写していきます。
読者が結末を決める「観測問題」:
最終章は量子力学の「二重スリット実験」を文学に落とし込んだ構造を持っています。結末は「観測者としての読者」の視点によって初めて確定する仕掛けとなっています。