あらすじ
「私は、絶対に元の世界に戻ってみせる。……例えそれが、この世界の理に背くことだとしても」
町外れの路地裏で見つけた、一軒の不思議な古本屋。そこで手にした「一冊の本」が、平凡な女子高生アイラの運命を塗り替えた。ページをめくった瞬間、視界は真っ白に染まり、次に目覚めたのは――見たこともない太陽が照らす、魔法の息づく異世界の砂浜だった。
草原の村で託されたのは、かつてこの地を統治していた魔法国の紋章が刻まれた、青い魔法石を宿すネックレス。
「伝説の賢者なら、元の世界へ戻る方法を知っているかもしれない」
その言葉を頼りに旅立ったアイラは、青い山の向こうを目指すが、途中、正体不明の部隊に襲われ、命の危機に陥る。彼女を救ったのは、鋭い一太刀を振るう黒髪の少女――奏だった。
論理的で冷徹な奏。しかし、同じ目的を持つと知り、二人は共に過酷な旅路を進むことになる。
二人はまだ知らない。賢者のもとへ辿り着いたとき、「帰還」という言葉の意味が、まったく違って見えることを――。