あらすじ
舞台は、かつて「野球王国」と呼ばれながらも、今や強豪校や大都市の陰に隠れてしまった和歌山の独立リーグ。万年最下位をひた走る弱小球団**「紀伊プラムス」**は、深刻な財政難と選手不足で解散の危機に瀕していた。
そんなチームに現れたのが、謎の18歳・しみまる。
145km/hの直球と、打者の手元でボールが幾重にもブレる不可解な**「分身投法」**を操る彼は、普段はひょうひょうとしているが、試合が佳境に入れば入るほど冷徹なまでの勝負強さを発揮する「最強のジョーカー」だった。
プラムスのオーナーは、しみまるに一つの賭けを持ちかける。
「今シーズン、優勝争いに食い込めなければチームは消滅。だが、君が全試合の『土壇場』を締めくくれば、プラムスの名は歴史に残る」
しみまるの投球には、実はある「からくり」が隠されていた……。
一球ごとに消え、現れ、打者の理性をかき乱す分身投法。対戦相手の強打者たちは、その正体を暴こうと牙を剥く。
地元の期待と、チームの存続、そして自身の秘密を背負い、しみまるはマウンドに立つ。
「さあ、種も仕掛けも……あるかもしれないよ?」
酸いも甘いも噛み分けた、紀伊プラムスの大逆転劇がいま始まる!