あらすじ
新卒で入った会社は、いわゆるブラック企業だった。
だが、それ自体は特別な話ではない。希望と違う勤務地への配属も、少ない給料も、何もかも「よくあること」で片付けられる程度の現実だった。
違法でも、誰かが明確に悪いわけでもない。
それでも生活には余裕がなく、壊れた物を買い替えることも、体調不良で病院に行くこともためらうような日々が続いていた。
うまくいかない人間が、たまたま自分だった――それだけの話。
そんなある朝、出勤途中の交差点で交通事故に遭う。
信号は青。避けようもなかった。ただ運が悪かっただけ。
次に目を覚ましたとき、そこは見知らぬ荒野だった。
説明も使命もなく、歓迎する者もいない。ただ放り出されたように、異世界の空の下に立っている。
理由のわからない転移。
そして視界に現れる、桁外れの数字――
レベル:9999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999
理解できたのは、その異常さだけ。
だがそれすら、これまでの人生と同じく、ただ一方的に与えられた理不尽に過ぎなかった。
空腹を覚えながら、主人公は思う。
――世の中は理不尽だ。
理不尽に抵抗する、爽快ハイパーインフレ系異世界物語ここに開幕!!