あらすじ
第3町田高校の英語教師・瀬戸は、事なかれ主義を貫く「死んだ目をした」教師だった。そんな彼を揺さぶったのは、クラスの優等生でありながら、家庭にも学校にも居場所を失っていた澪(みお)の切実な眼差しだった。
放課後の補習、二人だけの教室。英単語の響きに乗せて交わされる言葉は、いつしか「ここではないどこか」への渇望へと変わっていく。
ついに一線を越えた二人は、冬の朝、すべてを捨てて始発列車に飛び乗る。それは世間から見れば誘拐であり、破滅への序曲。しかし二人にとっては、真実の生へと向かう唯一の逃避行だった。