あらすじ
王城広報室に勤めるマティルダ・ノエルは、国民の政治意識を高めるため日々奔走していた。だが、渾身のイベントポスターは誰の目にも留まらない。ある日、渡り廊下で自作のポスターを熱心に見つめる長身の男を目にする。胸が高鳴ったのも束の間——彼は容赦なくポスターを剥がした。
「この状態で世に出して、何も感じなかったのかしら?」
現れたのは、美容部門最高責任者にして王弟、セラフィオン・グレイヴァルト。
彼の信条はただ一つ。“美は虚飾ではない。敬意である。”
飾らないことこそ誠実だと信じるマティルダと、国家の「印象」を管理する王弟。
思想は衝突し、三日間の猶予が与えられる。
だがそれは、理知的な王弟の理性を揺るがす始まりでもあった——。
これは、美を巡る哲学と、静かに芽吹く恋の物語。