あらすじ
学校の“アイドル”と呼ばれるイケメン先輩。
でも――本当に目で追っているのは、その隣にいる彼だった。
ばれないように。
怪しまれないように。
口実を作っては、体育館へ足を運ぶ。
視線はいつも、そっと彼へ。
そんなある日、同じ喫茶店でアルバイトをすることになった。
初めてのランチタイム。
慣れない忙しさに必死になっていると、息を切らして駆け込んできた彼。
そして、ワイシャツに黒いエプロン姿――。
その距離の近さに、心拍数は限界突破。
教育係として隣に立ちながら、
鼓動だけが、まったく言うことを聞かない。
私服で見られる帰り際。
言いかけて飲み込まれた「あっ」という声。
夏の湿った夜気の中、
胸の奥だけが熱を持ったまま、静かに揺れている。
ばれないように、
でも、ほんの少しだけ気づいてほしい。
これは、
口実の影から始まる、密かな初恋の物語。
「お願い、みんな彼の良さに気づかないで…」