あらすじ
「俺が何とかするから」
病床で痩せ細っていく妻の手を握り、男は闇夜へ向かう。
仕事は、多額の報酬と引き換えに死体を山林に埋めること。
血の臭いをタバコで上書きし、湿った土の匂いを柔軟剤で誤魔化す。
すべては愛する妻の命を繋ぐためだった。
だが、死体の「目」を見つめ、穴を掘り続ける夜を重ねるうちに、男は静かに、しかし確実に壊れ始めていた。
「ちょっと土の匂いがした気がしただけ……」
妻の何気ない一言が、隠し通してきた罪の臭いを際立たせる。
そんなある夜、運命は最悪の形で男を試す。
妻の容体急変を知らせる電話と、決して断れない裏仕事の依頼。
焦燥と絶望の果て、ハンドルを切った男が向かった先にあるのは――。
愛か、それとも。