あらすじ
孤児院で育った少女・真由は、園長から「困ったときや願いがあるときに三度唱えると、きっと人の心を動かす」という“おまじない”を教わる。身寄りのない境遇に負けず、忍耐強く勉強に励んだ真由は、周囲の支えを受けて看護師になる。
充実した日々を送る中、日本では未知の病原体が流行し、社会は混乱に陥る。そんな折、高熱にうなされる外国人妊婦が感染疑いで緊急搬送されるが、病院は受け入れに消極的だった。真由は「命を守るべきだ」と強く訴え、妊婦の受け入れを実現させる。やがて院内が大混乱に陥る中、妊婦が破水。医師が不在の状況で、真由は赤子と母の命を救うため、医師免許がないにもかかわらず医療行為に踏み切る。無事に出産は成功するが、その責任を問われ、真由は病院を解雇されてしまう。
失意の中にいた真由のもとへ弁護士が現れ、あの妊婦が彼女を探していると告げる。再会した妊婦は世界的な大富豪の婦人で、真由の献身によって命を救われたことを明かし、専属看護師兼パートナーとして迎えたいと申し出る。真由はその申し出を受け入れ、婦人とその息子を支える人生を歩み始める。
やがて婦人は亡くなり、真由は遺言により息子ロバートの後見人となる。成長したロバートは大国の大統領に就任し、出勤前に真由へ「行ってくるよ、お母さん」と声をかける。孤児として生きてきた真由は、自らの歩みを振り返り、「おまじないを信じて祈り続けたからこそ、私でも世界を変える一歩になれた」と静かに実感するのだった。
小さな願いと祈りが、人の心を動かし、やがて世界をも動かす――そんな希望を描いたヒューマンストーリー。