あらすじ
「オメガがいるから、村に災いが降りかかったのだ」
理不尽な理由で村人たちから忌み嫌われ、深い雪の森へと生贄として捨てられた十九歳の青年、ルカ。
凍える寒さの中、絶望に目を閉じた彼の前に現れたのは、見上げるほど巨大で美しい「白銀の狼」だった。
伝説の聖獣である狼に拾われたルカが目を覚ましたのは、下界の汚れから切り離された雲海に浮かぶ美しい島。
狼は人間の姿——流れるような銀髪と黄金の瞳を持つ壮麗なアルファの偉丈夫、レオンへと変化し、ルカにこう告げる。
「君は、俺の運命の番だ」
これまで虐げられ、自分を穢れた存在だと思い込んでいたルカは、レオンの甘く深いアルファの香りと、恐ろしいほどの優しさに戸惑うばかり。
温かい食事、美しい庭園、そして決して自分を傷つけない大きな手。
極上の溺愛に包まれるうち、ルカの心に固く巻きついていた冷たい恐怖の糸は、少しずつほどけていく。
そして、ルカを捨てた村人たちが強欲にも島へ足を踏み入れたとき、ルカは自らの意志とオメガとしての本当の力に目覚める——。
これは、孤独だった不遇のオメガが、伝説の聖獣の番として永遠の幸せと自分の居場所を見つけるまでの、心温まる溺愛ファンタジー。
【登場人物紹介】
◆ルカ
十九歳の青年。希少なオメガとして生まれたため、村のベータたちから不吉な存在として虐げられて育つ。銀色の髪と、森の木々のような翠色の瞳を持つ。自己肯定感が低く、常に他人の顔色をうかがう癖があるが、根は優しく芯の強い性格。
◆レオン
雲海に浮かぶ島に住まう伝説の聖獣。巨大な白銀の狼の姿を持つが、人間の姿をとることもできる。人間時は銀の髪を持つ壮麗なアルファの偉丈夫。圧倒的な力を持つが、運命の番であるルカに対してはどこまでも甘く過保護に接する。