あらすじ
一冊の古びた手記が見つかる。
それは、白薔薇の君セシリアに仕え、影に生きた騎士――クラウス・ルーベンが老年期に記した日記であった。
セシリアを失った後も、クラウスは王都で静かに働き、人々と交流し、孤児院の子供たちを支えながら歳月を重ねていく。
やがて子供たちは成長し、王都のさまざまな場所で役割を担うようになり、彼の名は小さな伝承となって残っていく。
日記の最終章には、晩年のクラウスが月の夜に見た“最後の記憶”が記されていた。
そこに記された彼の静かな祈りは、やがて手記を発見した者へと想いを受け継がせ、王国の片隅にひとつの温かな灯火を残していく。
これは、決して歴史に刻まれることのない騎士の、
しかし確かに誰かの人生を照らした、ひとつの外典の物語である。
(これが、わたくしの優雅なる死のマナーですわの外伝)