あらすじ
恋人がいると最初から知っていた。 だから最初から、諦めるつもりだった。
高校二年生の月城 蒼(つきしろ そう)は、幼なじみの榊 彩乃(さかき あやの)に恋をしている。 ただし、彼女には付き合って半年になる彼氏がいる。蒼はそれを知った日から、自分の気持ちに「友達」というラベルを貼って、心の引き出しの奥に押し込んできた。
勧められた映画の半券を、理由もなく手帳に挟む日々。 向かいのホームで偶然目が合って、急行電車に引き離されるあの瞬間。
言葉にしなければ、恋じゃないから。 空にしか、打ち明けられないから。
そんな蒼の前に、幼なじみの**浜田 凛(はまだ りん)**は静かに寄り添い続ける。彼女だけが知っている。蒼の「秘密」を。——そして、自分の「秘密」も。
三人の春が、静かに、確実に、動き始める。
空が青い日は、どうしてこんなに胸が痛いんだろう。