あらすじ
高校二年生・合田律、十七歳。
どこにでもいる普通の男子高校生。趣味は妄想。特技も妄想。
異世界転生やテロ集団との戦いを夢想しながら、
今日も帰り道を歩いていた。
そんな律の人生は、ベンチからの飛び降り——高さ五十センチ——という
前代未聞のダサい死に方によって幕を閉じた。
死因:ジャンプ。
暗闇の中で目覚めた律に語りかけてきたのは、この世界を創った神だった。
疲れ果てたような声で、神は告げる。「最下層を目指せ」と。
転生先は六つの国が均衡を保つ異世界。
騎士の国・ホマレーヌ
魔女の国・シリカルディア
筋肉の国・バルクマニア
暗殺の国・インキャリス
商人の国・シュセンドーン
信仰の国・ソーガッカイ
六国はそれぞれが有利・不利の円環構造で隣接し、
攻めれば背後が崩れる——永遠の膠着状態にあった。
そして世界の中心には、深さ百階層のダンジョンが存在する。
最下層に辿り着いた者には、願いがひとつだけ叶う。
転生ボーナスはない。
初期ステータスは全部低い。
唯一の強みは——
全六属性が使える可能性と、ほんの少し高い幸運値だけ。
律が生まれ落ちる一年前から
六国では次世代の覇者を求める動きが一斉に始まっていた。
ダサい死に方をした平凡な高校生が、
己を鍛え、六国を旅して仲間を集め、
誰も辿り着いたことのないダンジョン最下層を目指す——
飛び降り50cmで死んだ男の、異世界奮闘記が今——始まる。