あらすじ
「真実の愛に目覚めた」――そう仰るのなら、どうぞご自由に。
公爵令嬢アーデルハイトは、王太子から突然の婚約破棄を迫られる。
理由はただ一つ。若き未亡人伯爵夫人との“運命の恋”。
爵位を継がせ、領地を与え、守ると誓う王太子。
甘い言葉と涙の芝居に酔いしれる二人。
社交界はざわめき、噂は炎のように広がっていく――。
だがアーデルハイトは動じない。
「ロマンスは小説だけで充分ですわ」
婚約破棄は受け入れる。
ただし、契約通りの違約金はきっちりいただく。
そして彼女は、その莫大な違約金を元手に隣国ヴァルディア王と婚約。
感情ではなく理で動き、交易を再編し、国と国を繋ぐ“橋”となる。
一方、真実の愛に酔った王太子は、
世間から「遺産目当て」「操られている」と叩かれ、政治的窮地へ――。
これは、激情に溺れた恋の末路と、
冷静に未来を選び取った公爵令嬢が王妃へと至る物語。
三流ロマンスの終幕後、
最後に立っているのは誰なのか。
ざまぁは静かに、しかし確実に訪れる。