あらすじ
高校2年生の春。あの頃の私には、一番仲のいい男友達がいた。
好きな音楽も、映画の趣味も驚くほど合う君。一緒にいると楽しくて、居心地がよくて、時々息が苦しくなる。
だって、君には最初から彼女がいるから。
眩しい太陽を見上げたあの日。透き通るような青空が、私の心に鍵をかけていた「好き」という感情のトリガーを引いてしまった。
「ただの友達」という特等席を失わないために、私は君から勧められた映画の半券を手帳の奥に隠し、向かいのホームで目が合っても、急行電車に遮られるまま手を振るのをやめた。
君がファインダー越しに見つける愛おしい雲の行方が、私ではない誰かだと知っていても。
これは、誰にも言えない、私だけの秘密の青春。