あらすじ
露木祥太は、自分の名前に意味を持たなかった。
ただ識別するための希望にすぎない。
ただのラベル。
――彼女に呼ばれるまでは。
七重優希。
彼女の名前を呼び、
彼女に名前を呼ばれた瞬間。
祥太の世界は初めて“意味”を持った。
しかしその奇跡は、長くは続かなかった。
やがて優希は彼の前から去る。
祥太の身体は静かに崩壊を始める。
苦しみ、失っていく中で、それでも彼は信じていた。
もう一度会えば、優希は振り返ると。
別れが確定した瞬間、
祥太は最後の言葉を彼女に届け、黒い液体を飲み干す。
『世界で誰より愛してる』
これは、一つの恋が“身体を越えて”続く物語。
そして――それが終わらなかった、証明。