あらすじ
「完璧すぎて、胃がもたれるよ」
代々の期待を煮詰めた「完璧なもち肌」を持つ令嬢、持田桃子。彼女の婚姻は家格を繋ぐだけの無機質な糊付けであり、夫・良雄から向けられるのは氷のような拒絶だった。
絶望の果て、彼女が手にした古びたスケッチブック。そこに「餅」を描きなぐるたび、天井の闇からは物理的な殺意を孕んだ「重たい肉塊(牡丹餅)」が降り注ぐ。
それを貪り、肌を鏡のように磨き上げる桃子だったが、その代償として彼女の肉体は底なしの泥のように肥大化していく。
愛を求め、粘りつく媚びを売る女。それを嫌悪し、切り捨てようとする男。
すべてが熱い粘液の中で溶け合い、誰にも消化できない「煮雑ぜ(にまぜ)」へと変質する、あまりに重く、あまりに粘りつく終焉。
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