あらすじ
スリランカから日本に出張してきた宮部明彦。たまたま北九州に来て、小倉のバーに寄った。そこには、35歳のバーのママ、木村直美と、プータローの23歳、岡田美雪がいた。こくらからフェリーで大阪に移動しようと思っていたら、美雪が一緒についてくるという・・・どうなるのだ???直美と美雪(ミキちゃん)、ひたすら小倉弁です。
なぜか、私は初めて来た小倉のバーで酒を飲んでいた。まだ、午後六時半だ。小倉の繁華街、雑居ビルの二階。扉を開けると薄暗い店内にタバコの煙が漂い、どこか懐かしい昭和の匂いがした。北九州の工業団地の工場担当者との打ち合わせがあって、スリランカからわざわざ出てきたのだ。海外展開で東南アジアに進出する計画が進む中、工場の建設について詳しく聞きたいというので、こうやって出張続きの人生を送っている。疲れはあるけど、こういう地方都市の片隅に紛れ込む瞬間は嫌いじゃない。知らない街の空気が、私の心に小さな隙間を作る。
スリランカのバンダラナイケ国際空港からシンガポールのチャンギ空港でトランジットして、北九州空港に降り立ったばかりだ。明後日は大阪本社で再度打ち合わせが待っている。帰りは関空からシンガポール経由でスリランカに戻るつもりだ。
でも、この旅程、どうやって組み立てようか?頭の中でスケジュールがグルグル回る。北九州で一泊して、明日新幹線で大阪に移動するか?それとも今夜すぐ大阪に向かうか?いや、待てよ、北九州から大阪までフェリー便があるじゃないか。移動しながら寝られるなんて、効率的だし、少しワクワクするな。旅慣れてるとはいえ、こういうアイデアが浮かぶとちょっと得意になる。