あらすじ

「見えること」は、いつも少し、遅すぎる。 幼い頃、父が吸う煙草の煙の中に怪異が見えた。止めることもできないまま、父は失踪した。それから二十年、霧島燈は「見えること」を誰にも話さず、街の片隅で禁煙外来クリニックを開いている。 患者が吸う煙の中に、今日も怪異が現れる。 言えなかった言葉を抱えた煙怪。触れたくても触れられない煙怪。誰かに名前を呼んでほしかった煙怪。燈は彼らと向き合い、見届けて、そして去る。それだけが燈にできることだと、ずっと思っていた。 でも——消えていくものを「ただ見ていること」と「見届けること」は、同じことじゃないのかもしれない。

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小説を読もう2026/02/28
  • 現在の作品禁煙外来の女医は、煙草の煙に宿る怪異を見届ける