あらすじ
私は、専門家ではありません。
ただ、縄文の静かな息吹や、謎に包まれた古代史、そして幾多の涙が流れた日本史の断片が、たまらなく好きな一人の人間です。
「もし、あの山に、記紀には残されなかった誇り高き王朝があったなら」
「もし、海を渡ってきた鉄の民と、土と共に生きた民が、手を取り合っていたなら」
そんな私の「気になる」という心の火種と、空想の翼が重なり合って、この物語は生まれました。
これは、歴史の教科書には載っていない、けれど確かにそこにいたはずの、ある少女たちの祈りと、孤独な英雄の戦いの記録です。
あらすじ
「その火は、奪うためではなく、共に眠るために」
北の果て、津軽で「土と鉄」の誇りを継いだ少女・サラ。
ヤマトの軍勢に全てを焼かれ、逃げ延びた先で出会ったのは、榛名の山を守る孤高の巫女・アユラだった。
一方、ヤマトの英雄として恐れられるタケルは、自らの空虚な心に迷いながら、侵略の歩みを止められずにいた。
縄文から続く自然への祈りと、容赦なく押し寄せる大和の秩序。
異なる「正義」を背負った三人の運命が、榛名の噴煙の中で交差する。
地層に眠る三つの「仮面(げいめん)」が、二千年の時を超えていま、真実を語り出す――。